研究室引っ越し(2017.3.9)

2017年3月9日、筑波大学原子核理論研究室は、自然系学系B棟4階から、計算科学研究センターの2階へ移りました。詳しくは交通アクセスをご覧ください。

つくば不安定核セミナー開催(2017.3.7)

2017年3月7日(火)に以下の内容で第38回つくば不安定核セミナーを開催します。詳細(PDF)。

講師:宇都野 穰(日本原子力研究開発機構・先端基礎研究センター)
日時:3月7日(金)、16:00~
場所:筑波大学自然系学系B棟118
講演題目:二核子配位のガモフテラー遷移で探る陽子中性子対相関の性質
概要:陽子・中性子間の引力は平均的には同種粒子間の引力よりも強いため、 陽子・中性子対凝縮が起こると期待されるものの、実験的にはその明確な 証拠はないとされている。何らかの対凝縮を妨げる メカニズムがあると考 えられるが、はっきりとしていない。この講演では、「クーパー対」に対応す る二核子配位を詳しく調べ、そこから波動関数及び相互作用行列要素の符号に関して新しく得られた知見について報告する。
 LS 閉殻の上に二個の核子が存在する原子核、つまり質量数 6, 18, 42 の原子核については、最も 低い (J, T ) = (0, 1) から (1, 0) 状態間に非常に強くガモフテラー遷移することが最近の藤田らの実験 などによって知られている。この性質は、アイソスカラー対ハミルトニアンではバレンス殻および一 粒子エネルギーによらない普遍的なものであると証明することができ、同様なことが二空孔配位でも起こる。しかし、実際は、14C が極めて長寿命であることから知られているように、二空孔配位で はそうなっていない。その原因は、実際の (J, T ) = (1, 0) 相互作用行列要素の符号の一部がアイソスカラー対ハミルトニアンとは異なっており、その結果、アイソスカラー対を構成する基底波動関数の符号が一意に定まらないからとわかった。これは、アイソベクター対とは大きく異なる性質で、対凝縮を妨げる一つの要因となりうる。
また、このセミナーに先立ち、講師の宇都野氏による核応答・核反応に関する講義を行います。
日時:3月7日(火) 13:00ー14:00、14:30ー15:30
場所:筑波大学自然系学系B棟118
対象:学部・修士以上。

新メンバー:Wangさん

計算科学研究センター原子核物理研究部門の特別研究学生として王之恒(Zhiheng Wang)さんが研究室のメンバーに加わりました。

中務さん、矢花さんの論文がアメリカ物理学会Review of Modern Physicsに出版されました。

レビュー論文「Time-dependent density-functional description of nuclear dynamics」がReview of Modern Physicsに出版されました。

T. Nakatsukasa, K. Matsuyanagi, M. Matsuo, K. Yabana, Rev. Mod. Phys. 88, 045004 (2016).

Tsukuba CCS-RIKEN Joint Workshop on microscopic theories of nuclear structure and dynamics (2016.12.12-16)

The First Tsukuba-CCS-RIKEN joint workshop on “Microscopic theories of nuclear structure and dynamics” will be held at the RIKEN Nishina Center, Wako, Japan, on December 12-13, 2016, and the Center for Computational Sciences, University of Tsukuba, Tsukuba, Japan, December 14-16, 2016.

Many recent developments in nuclear structure theory are driven by experimental data on exotic nuclei from radioactive ion beam facilities, and by high performance computing. The challenge for microscopic theories of nuclear structure and dynamics is the development of a coherent theoretical framework applicable to many new phenomena at the limits of large isospin and weak binding. To this end, novel computational techniques, applicable to pre-exascale computer systems, enable quantified predictions.

The joint workshop will be held at two sites. At the RIKEN Nishina Center, the discussion will be focused on topics related to the recent and planned experiments at RIBF with the purpose of accelerating the collaboration between experiment and theory. At the Center for Computational Sciences, University of Tsukuba, the workshop will focus on theoretical techniques, especially nuclear density functional theory and its extensions, as well as related computational methods.

Dates and Venues
December 12 – 13, 2016, RIKEN Nishina Center
December 14 – 16, 2016, Center for Computational Sciences, University of Tsukuba
Organizers
Y. Hashimoto (Univ. of Tsukuba)
N. Hinohara (Univ. of Tsukuba, Chair)
H. Liang (RIKEN, co-chair)
T. Nakatsukasa (Univ. of Tsukuba)
W. Nazarewicz (MSU)
T. Uesaka (RIKEN)
K. Yabana (Univ. of Tsukuba)

新メンバー:Scampsさん

計算科学研究センター原子核物理研究部門の研究員としてGuillaume Scampsさんが研究室のメンバーに加わりました。

中務さん、日野原さんの論文がPaper of the weekに

中務さんと日野原さんの共著による以下の論文がイギリス物理学会(IOP)のPhysical Scriptaに掲載され、Editorial & News で Paper of the Week のハイライトに選ばれました。

Kenichi MatsuyanagiMasayuki MatsuoTakashi NakatsukasaKenichi YoshidaNobuo Hinohara and Koichi Sato, “Microscopic derivation of the Bohr–Mottelson collective Hamiltonian and its application to quadrupole shape dynamics”, Physica Scripta 91, 063014 (2016).

プレスリリース(共同研究:チューリッヒ工科大学、東京大学)

矢花さんと佐藤さんは、チューリッヒ工科大学の超高速レーザー物理グループと東京大学大学院工学系研究科附属光量子科学研究センターとの共同研究により、パルス光を誘電体に照射するとき、光の周期よりも短い時間で誘電体の光学的性質が変化することを示し、プレスリリースを行いました。

つくば不安定核セミナー開催(2016.10.7)

2016年10月7日(金)に以下の内容で第37回つくば不安定核セミナーを開催します。詳細(PDF)。

講師:下浦 享(東京大学 原子核科学研究センター)
日時:10月7日(金)、16:00~
場所:筑波大学自然系学系B棟114
講演題目:RIビームによる核応答と核反応
概要:多様な不安定核をRIビームとして生成することが可能となり、核図表の広い領域にわたる原子核 構造の研究が飛躍的に進んできている。一方、不安定核がもつ安定核とは異なる性質(内部エネ ルギー、アイソスピン、スピン、パリティ、一粒子配位など)を利用した核反応により、これまで不可能 であった運動学的条件や位相空間における原子核応答や原子核反応の研究が可能となっている。 不安定核が持つ大きな内部エネルギーを利用した発熱型荷電交換反応による核応答研究のいく つかと、この手法を用いたテトラ中性子研究を紹介する。 また、RIBFで生成される大強度の高速RIビームを効率よく減速するプロジェクト(OEDOプロジェクト)を紹介し、それを用いた、不安定核による移行反応、融合反応の研究展開について議論する。

また、このセミナーに先立ち、講師の下浦氏による核応答・核反応に関する講義を行います。

日時:10月7日(金) 10:30ー12:00、13:30ー15:00
場所:筑波大学自然系学系B棟118(セミナー会場の向かい)
対象:学部・修士以上。