つくば不安定核セミナー開催(2016.5.11)
2016年4月22日 | 新着情報
2016年5月11日(水)に以下の内容で、第36回つくば不安定核セミナーを開催します。今回の講師は千葉大の中田氏です。
また、セミナーに先立ち、核物質に関する平均場理論についての講義を行って頂きます。スケジュールがタイトですが、
講義:13:00-14:20、14:30-15:50
の予定でまず学部生・大学院生向けの講義を行い、続いて以下のセミナーを行います。
講師:中田仁氏
所属:千葉大学理学研究科
日時:2016年5月11日(水)16:00-17:30
場所:筑波大学計算科学研究センター 1F ワークショップ室
講演題目:Evidence for three-nucleon interaction in isotope shifts of Z=magic nuclei
概要:
原子核の殻構造ではスピン・軌道分裂が本質的に重要であるが,その起源は今なお十分に理解されているとは言い難い。最近、カイラル有効場理論から導かれる 3 核子間力が LS チャネルに密度依存性をもたらし、それによってスピン・軌道分裂の不足分が説明できるとの指摘がなされた。本講演では、半現実的な M3Y-P6 及びその variant である M3Y-P6a 相互作用を例に、やはり長年の問題であった Pb 核の isotope shift の kink がそのような 3 体 LS 力によって解決され得ることを示す。Pb 核の isotope shift が 3 体 LS 力の証拠になっているとも見なせよう。さらに、従来平均場計算では再現が非常に困難であった 40Ca と 48Ca の荷電半径がほぼ等しいという実験事実も、3 体 LS 力を含む M3Y-P6a によりよく記述できることが分かった。M3Y-P6a は Sn 核の isotope shift についても今までの実験データをよく再現し、加えて N = 82 に kink を予言する。この kink は LS チャネルに密度依存性がない相互作用では得られておらず、Ni 核と併せ今後の実験による 3 体 LS 力の更なる test として興味が持たれる。